~サウンドストリートから~
「1980X」
パンタ&ハル

1980/03
"Audi 80"
作詞・作曲:中村治雄
アルバムの特集かパンタ個人の特集だったかは失念したが、何曲か聴いた中で心に残ったのが"Audi 80"。
兎に角この曲は歌詞だな。
いきなり、『横殴りの雨に・・・』で始まって、極めつけは『トランクでお前は転げまわり・・・』だ。
手元に歌詞カードなど無いし、言葉が不明瞭で聞き取り辛い部分もあった。
でも何回も繰り返し聴く内に、この曲の主人公が、誘拐した女性をトランクに乗せて、暴風雨の高速道路で逃避行の最中だって事が見えてくる。
そして、その逃避行は恐らく悲劇的な結末を迎えるんだ・・・
・・・ゾクゾクしたね。
前にも書いたが、「こういう事を歌にしても良いんだ」という感動があり、それを断片的な情景描写だけで聴き手にイメージさせるやり方が最高にカッコ良いと思った。
当時は知る由も無かったが、この曲のバックグラウンドには
RAFによるハンス=マルティン・シュライヤーの誘拐事件が有る。
タイトルは、シュライヤーが死体で発見されたのがAudiのトランクルームであった事に由来するし、「まるでレディ・シュライヤー」という歌詞(←当時はこの部分で何を言っているのか聞き取れなかった)なんて、もうそのまんまだ。
俺ならば、ここまで事実を想起させる歌は書けないだろうな・・・否、書けても発表出来ない。
恐らく彼は、自分の表現が他人を傷つけたり、批判に晒されたりする可能性は、充分承知しているのだろう。
それでも自分の表現は曲げない、自分の言いたい事を言う、という強靭な意志。。。
いつのまにか俺が見失ってしまったものかもしれない。
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- 2008/02/06(水) 07:00:00|
- 音
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